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位高 駿夫

位高 駿夫

最新研究

2022.12.29

Natureで初めて報告された登山とACE遺伝子の関係

『7000mを超える最高峰にたどりつけるかどうかは、遺伝子で決まっているかもしれません!』

そのような報告が1998年のNatureに発表されたのが、一番最初のスポーツと遺伝子の関係性に関する研究だと、理解しています。

その時に報告された遺伝子が代表的なスポーツ遺伝子の『ACE遺伝子』です。

ACEはアンジオテンシン変換酵素の略称で、血管拡張機能などに関わる機構の一つで、血圧などとの関係性は既に多く報告されています。

 

この研究は、25名のイギリス人男性・一流登山家(7000m以上の高山に無酸素登山歴がある)のACE遺伝子(II型・ID型・DD型)の頻度を調査した結果を報告しています。

その結果、ACE遺伝子のタイプは、Ⅱ型の割合が一般的なイギリス人よりも登山家の高く、逆にDD型は少ないことがわかりました。

また、無酸素登山により8,000mの山を制覇した登山家15名だけの結果では、DD型が1人もいないことも明らかになりました。

Ⅱ型のほうが血清 ACE活性がDD型の約半分しかないこともわかっており、これらが一因となっている可能性が考えられています。

以上より、ACE遺伝子のDD型は、超高所登山に向いていないことが考えられています。

 

<研究報告>

Montgomery HE, Marshall R, Hemingway H, Myerson S, Clarkson P, Dollery C, Hayward M, Holliman DE, Jubb M, World M, Thomas EL, Brynes AE, Saeed N, Barnard M, Bell JD, Prasad K, Rayson M, Talmud PJ, Humphries SE. Human gene for physical performance. Nature. 1998; 393(6682): 221-222.

 

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